サムネイル|オンラインカジノと税金について

オンラインカジノと確定申告

もしも、諸君がオンラインカジノで10,000ドルの勝利金を手にしたら諸君ならどうするだろうか? さらに「給料以外で手に入れたお金には税金が発生するから気をつけて」って事実を聞いたらどう思うだろうか?

今回はこのジャックが、税金にあまり関わる機会の少ない現役の会社員・従業員(給与所得者)の方にむけて、オンラインカジノで稼いだお金と税金のこと、とくに確定申告、節税対策、各種の控除について解説するよ🐰✨

参考にする国税庁とかの外部リンクを章ごとにまとめるから、より深く理解したいという人はチェックしてみよう!

(※ 本記事では、主に国税庁HP、およびe-Gov 法令検索の令和4年度現在の所得税法(所法)などを参考に、公的年金受給者や事業所得者などを除いた給与所得者を対象として解説いたします。)

 

 

1. オンラインカジノで稼いだお金は確定申告する?

先にこの疑問をクリアしておくと、その年の「総所得金額」によって確定申告が必要になるんだなぁ。どんなケースが必要、または不要になるのかを整理するために、まずはこの3つのポイントをチェックだ🙌

  • 確定申告とは?
  • 確定申告が必要になる人とは?
  • 【おまけ】専門用語を学んでもっとわかりやすく

 

▶ 確定申告とは?

そもそも「確定申告」というものは、その年にいくらの所得があったのか(総所得金額)を確定して税務署に申告することをいいます。

  • 毎年1月1日~12月31日までの総所得金額を翌年2月16日〜3月15日の間に税務署へ申告する。
  • 申告内容をもとに、翌年度の住民税(市民税や県民税)の納付額が決まる。
  • 申告内容によって源泉徴収で払いすぎた所得税が還付されることがある(申告完了後1~2か月程度で還付される)
  • 所得から所得控除を差し引いた最終的な数字がプラスの場合に必要となる。

ちなみに、『年末調整』は会社が社員たちが申告にかかる負担を減らすために代わりに所得申告をすること。だから、この年末要請を受けた給料である「給与」を受け取っている「給与所得者」の人たちも、間接的にだけどちゃんと確定申告をしているんだなぁ🔎✨

 

▶ 確定申告が必要な人とは?

年末調整を受けてる給与所得者は、どんな場合に確定申告をする義務が発生するんだろう

1. 年収が2,000万円を超える人

2. 給与を1か所から受けていて、給与所得(および退職所得)以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人

3. 給与(すべての給与が源泉徴収の対象となる場合)を2か所以上から得ている人のうち、次のうちのいずれか、または両方の合計額が20万円を超える人

  • 年末調整されなかった給与の収入金額
  • 給与所得や退職所得をのぞくその他の所得金額(一時所得、雑所得など)

4. 同族経営の会社役員などで、会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人

5. 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人

6. 源泉徴収義務のない者から給与などの支払を受けている人

7. 退職所得の税額を正規の方法で算出したとき、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

8. ふるさと納税を6自治体以上に納めている、または納税時に『ワンストップ特例』を利用していない人

9. 医療費控除を利用する人(控除制度を利用すると税金の還付を受けられることもある。)

10. 寄附金控除を受ける人(国や自治体、社会福祉法人、私立学校などに寄付を行ったとき。)

11. 住宅ローン控除の対象者(確定申告により還付を受けられる。本控除は最大13回申請でき、控除の適用期間中は毎年申請手続きが必要。会社員・従業員の方は2年目以降は年末調整でも申請可能。)

とくに諸君に注目してもらいたいのは3番。分かりやすく読み変えると、給与所得者が給与以外に「一時所得」や「雑所得」などの所得があっても「20万円」以内におさまれば確定申告はいらないということになるよね🐰✨

これは、このあと解説する節税対策のキーワードになるから覚えておいていただきたい📌

 

【おまけ】専門用語でもっと分かりやすく

税金のトピックには難しい専門用語がつきもの! ということで、ここで一度、専門用語の整理をしてみよう。「所得」や「控除」は普段から役立つものだから、この機会に覚えちゃおう🐰✨

収入 給与、株や債権の配当など、すべての「入ってくるお金」のこと。オンラインカジノの勝利金も収入のひとつです。
給与所得 勤務先から受ける給料、賃金、賞与などの所得で、収入金額(源泉徴収される前の金額)から給与所得控除を差し引いたもの
給与所得者 年末調整を受けた給与所得を勤務先から受けている会社員や従業員。
所得 年間総収入金額から必要経費などを控除した、その年に得られたお金のこと。
所得税 所得総額から『所得控除』を差し引いたものに課される税目。
控除 それぞれ決められた条件のもとで税負担を軽減させる措置。配偶者控除、給与所得控除、基礎控除など。
🔗 外部リンク|国税庁_No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人確定申告をすれば税金が戻る方No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)国土交通省_住宅ローン減税財務省_「所得税」を知ろう—もっと知りたい税のこと

 

2. 一時所得|リアルマネーの出金

保険の払戻金や福引の賞金などの一時的な臨時収入のことを「一時所得」というんだ。一時所得の特徴は、50万円の特別控除が認められているところ!

給与所得者は、この「特別控除」と「20万円」の枠を活用して、年間で最大90万円(給与所得者以外は最大50万円)の一時所得を “所得申告なし” で取得できるんだ(所法121)その理由を次の「一時所得の算出方法」で詳しく見てみよう👍

 

▶ 一時所得の算出方法

一時所得と確定申告のことを理解する最短ルートは、実際に計算してみること! ということで、つぎの収支表を使いながら「年間90万円」の理由をひもといていくよ🐰🔥

利用月 必要経費(入金) 総収入金額(出金) 差引
1月 20 15 ▲5
2月 10 30 +20
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
12月 20 25 +5
合計 100 190 90

(単位: 万円)

一時所得の計算には「必要経費」と「総収入金額」っていうそれぞれの科目を計算する必要があるんだ。オンラインカジノの場合、必要経費はカジノへ入金した年間の合計金額、総収入金額はリアルマネー(理由は後述)で出金した年間の合計金額って意味になるよ✨

上の表と言葉の意味をまとめると、次のとおりです👀💡

  • 入金総額(必要経費):年間100万円
  • 出金総額(総収入金額):年間190万円

 

さあ、ここから実際に計算をしてもっと深く税金についての理解を深めていこう🚀

 

🐾 Step 1. 一時所得はいくら?

一時所得の算出方法はつぎのとおりです。

[ 年間の総収入金額 ] − [ 年間の必要経費 ] − [ 特別控除額 ] = [ 一時所得 ]

そして、表の数字をこの公式に代入します。

[ 出金総額:190万円 ] − [入金総額:100万円 ] = [ 一時所得:90万円 ]

 

🐾 Step 2. 課税対象となる金額は?

一時所得の課税対象額は、特別控除を引いた金額の2分の1(50%)です。そして、この課税対象額が20万円以内におさまれば確定申告は不要です。

[ 一時所得:90万円 ] − [ 特別控除額:50万円 ] = [ 40万円 ]

[ 40万円 ] ÷ 2 = [ 課税対象額:20万円 ]

※ よって、この場合は確定申告が不要です。

このような理由から、給与所得者の方は年間で最大90万円までの出金が可能なんですね。

🔗 外部リンク|国税庁_No.1490 一時所得一時所得の金額の計算(一時所得内の内部通算の可否)

 

3. 雑所得|仮想通貨ユーザー必見の税金事情

雑所得は、所得税法で定められているどの所得にも当てはまらない所得のことです(利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のいずれにも該当しない)。

【雑所得の一例】
  • 原稿料、講演料
  • 先物取引(FXトレードなど)
  • 暗号資産(いわゆる、仮想通貨)
  • シェアリングエコノミーに係る所得など(所法35)

 

 一時所得と同様、給与所得者は仮想通貨(暗号資産)から得られた所得が20万円をこえると確定申告(総合課税)が必要になるから注意しよう!(所法121-1)

 

▶ 雑所得の算出方法

計算方法も一時所得とおなじく、必要経費から総収入金額を差し引いて所得を確定します(※ 仮想通貨にて取得した所得の算出方法には移動平均法と総平均法の2通り存在しますが、ここでは雑所得の一般事情を説明する理由から算出の方法、および過程については省略いたします)。

  必要経費 収入 差引

1月

15 5 ▲10
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
12月 10 20 +10
合計 80 100 20

(単位: 万円)

⚠️ この収支表の場合、雑所得は総収入から必要経費を引いた20万円( = 100万円 – 80万円)です雑所得には控除がないのでこの場合は確定申告は不要ですが、注意したいポイントです!

 

▶ 雑所得と一時所得がある場合の計算方法

年間の総所得金額をちゃんと管理することが一番の節税対策なんだなぁ。そこで、もしも諸君が給与以外に雑所得と一時所得が2つともある場合はどうやって計算されるのかを学んで、この2つの所得税目をマスターしていただきたい🐰🔥

【問題】一緒に考えよう!

次のように複数の所得のある給与所得者で、確定申告が不要になるよう給与以外の所得を20万円以内におさめたいとき、雑所得はいくらが上限となりますか?

    • 50万円:ミスティーノから引き出したリアルマネー
    • 30万円:競馬の払戻金
    • ?万円:雑所得(仮想通貨の収益など)

※ カジノからの出金や競馬の払戻金は一時所得です(所法35)

一時所得が複数ある場合、通算した合計に特別控除50万円を適用するため、この場合の一時所得の課税対象額は15万円ですね(所法34、121)

よって、20万円の枠に収まるようにするには、雑所得の上限は5万円

🔗 外部リンク|国税庁_暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)(令和3年12月)11ページNo.1500 雑所得

 

4. 一時所得/雑所得の注意点

オンラインカジノから出金したことで発生する所得(一時所得と雑所得)と関係してくる、年間の総所得金額の管理で気をつけたい注意点をまとめるよ🔍✨

 

⚠️ 雑所得には控除がありません

みなさんの中には、コロナ禍で副業や事業を始めた方も多いのではないでしょうか。そんな場合、むしろ積極的に確定申告をおこなって税制上の優遇措置を受けたいですよね。

「青色申告」という申告方法なら55万円、または65万円の『青色申告特別控除』が受けられるのが魅力ですが、雑所得(仮想通貨で出金して発生した所得)はこの特別控除の対象とはなりません

 

⚠️ 所得の証拠となる取引記録

損益は、自分の資産でなんらかの取引をすることで発生します。その際、通帳などに残った取引記録が所得を証明するの資料(証拠)となります

  • 銀行口座やエコペイズなどの電子決済サービスのアカウントに残された、オンラインカジノとの間でおこなわれた決済記録
  • 仮想通貨による決済記録は、仮想通貨どうしの引換も含め、日本円の換金の有無に関係なく所得を証明するものとみなされます

※ 海外法人のエコペイズなどの電子決済システムの取引記録について、税務署が把握できるかどうかなどの可能性を論じる一部の情報サイトがありますが、いかなる理由も所得を隠すことの正当性にはなりません。

 

⚠️ 他に所得がある場合の資金管理

給与以外に複数の所得があり、それらがすべて総合課税で確定申告できる場合で、損益通算(損失・収益を合算すること)すると20万円以内におさまれば、確定申告は不要です。

  • 一時所得が複数ある場合は「内部通算」した上で、その合計から50万円を控除する計算方式をとるので注意しましょう。(前記「雑所得と一時所得がある場合の計算方法」、または所法34、同121参照)
  • 一部の特殊な所得は「申告分離課税」や「源泉分離課税」という申告方法をとるので、損益通算ができません。

 

⚠️ 副収入が会社に気づかれる理由

一般的に副収入(副業)が会社に気づかれてしまう理由は、会社が社員の代わりに納付(特別徴収)している住民税と関係しています。

  1. ある年に給与所得以外に20万円を超える副収入があったので確定申告をする。
  2. 税務署が申告内容をもとに、申告者が住民票を置く自治体へ住民税増額の通達をする。
  3. 住民税の納付や年末調整を代わりにしてくれる会社の総務部の人が税額の増加に気づく

 

住民税は、前年度の総所得金額の増減に応じて次年度の税額が変動します。給与所得は前年度とおなじなのに今年度から住民税が増加していれば、すぐに前年度の所得が増加したことに気づくというわけです。確定申告の際などに、申告フォーム上の「自分で納付」という欄をチェックすれば納付方法を『普通徴収』に切り替えることができます。

※ 自治体によって普通徴収を認めていない場合もありますので、事前の確認を強くお勧めします。

🔗 外部リンク|国税庁_No.2072 青色申告特別控除AERIAL PARTNERS_【仮想通貨・暗号資産の税金】損益発生のタイミングについて国税庁_No.1490 一時所得 Q&A東京都主税局_個人住民税と特別徴収について

 

5. 配偶者や扶養家族がいる場合の注意点

納税者のあなたのご家族(扶養親族)に何らかの控除が認められている場合、控除の対象となるご家族の方の総所得金額が法律に定める範囲を超えてしまうと控除が外れてしまうことがあるんだなぁ😱💦

つぎの5つの控除について、控除が適用される納税者の条件(年間の総所得金額など)を改めて確認しておこう

  • 扶養控除
  • 配偶者控除/配偶者特別控除
  • ひとり親控除(旧・寡夫控除)と寡婦控除

 

▶ 扶養控除

年間の所得総額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)または年間収入103万円以下(給与所得だけの場合)の扶養親族がいれば、年齢や同居の有無などの条件によって次のような控除が認められています。

区分 控除額
控除対象の扶養親族(*1) 38万円
特定扶養親族(*2) 63万円
老人扶養親族(*3) 同居老親以外 48万円
同居老親など(*4) 58万円

(*1、2、3)扶養親族のうち、12月31日時点で満16歳以上/満19~22歳/満70歳以上の人。(*4)老人扶養親族のうち、あなたや配偶者の直系尊属(父母、祖父母など)で、あなたや配偶者との同居(入院は同居、老人ホームなどへの入所は非同居)を常としている人。

 

▶ 配偶者に対する2つの控除

【1. 配偶者控除】

主たる納税者(控除を受けるひと)の年齢と所得総額によって、その配偶者の総所得金額に対する控除が次のとおり認められています。

控除を受ける

納税者本人の総所得金額

控除額
配偶者 老人控除対象配偶者*
~900 38 48
900~950 26 32
950~1,000 13 16

(※ 控除対象配偶者のうち、その年の12月31日の時点で満70歳以上の人。なお、各数字の単位は万円)

 

【2. 配偶者特別控除】

配偶者特別控除は、共働きなどで年間に48万円~133万円の所得総額のある配偶者が受けられる扶養控除です。

配偶者の所得総額 控除を受ける納税者本人の合計所得金額
~900 900~950 950~1,000
48~95 38 26 13
95~100 36 24 12
100~105 31 21 11
105~110 26 18 9
110~115 21 14 7
115~120 16 11 6
120~125 11 8 4
125~130 6 4 2
130~133 3 2 1

(単位:万円)

 

▶ ひとり親控除(旧・寡夫控除)

年間の所得総額が500万円以下の『ひとり親』で、生計が同一の子どもの所得が年間で48万円以下の場合に認められている控除です。

  • その年の12月31日時点で夫、または妻(民法上の婚姻関係にある)と離婚、または死別(配偶者の生死不明の場合を含む)をしたあと婚姻していないこと。
  • 子どもがいない『寡婦』の場合、『寡婦控除』が認められる。
区分 控除額
ひとり親控除 35万円
寡婦控除 27万円

 

🔗 外部リンク|国税庁_No.1180 扶養控除No.1191 配偶者控除No.1195 配偶者特別控除No.1171 ひとり親控除No.1170 寡婦控除

 

6. まとめ

今回は給与所得者の方がどうやって確定申告をせずに済むかって視点から解説しました。でも、確定申告にはメリットもあるんだ✨

たとえば、年の途中で転職した場合、給与が年末調整されないことがあるんだ。でも、そんなとき確定申告をすることで、源泉徴収によって払いすぎている分を取り戻す(還付)させることができるんだ!

それに、コロナ禍をきっかけに会社員をつづけながら事業(副業)を始めたという人や、住宅ローンの控除、医療控除、寄付金控除を受けたい人にとって確定申告はすごくメリットがあります。いつか、そんな人たちに向けた税金の解説もしてみたいな🐰💭

 

Q&Aコーナー

Q:所得が発生する瞬間とは?

A:『所得』は取引記録上の損益とともに発生します。

銀行や電子決済サービス(エコペイズなど)のアカウントなどにお金が振り込まれたり、仮想通貨を介したさまざまな決済を行えば、それぞれの収益や損失が取引記録として残ります。確定申告が必要かどうかを判断するときは、この取引記録を参考にします。

 

Q:リアルマネーやボーナスマネーは所得?

A:ミスティーノに入金したキャッシュ、受け取ったボーナス、フリースピンは所得としてみなされていません。

オンラインカジノは日本の法律や法例で定義の曖昧なサービスのため、税制上でどのように扱われるものなのか確たる言及がなされていません。現在は、アカウント内部に保管する資産(財産)に対してではなく、アカウントから出金処理された資産を取引上の「収入」と規定することで課税対象とみなされています。詳しくは専門家、または税理士の方にお問い合わせください。

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